
当研究会は、2008年(平成20年)鼠年に九州CT研究会・九州CTフォーラムとして発足しました。発足から12年,干支が一回りした2020年(令和2年)より、初代代表世話人の小川正人氏から2代目として大石芳貴(産業医科大学病院)が就任することとなりました。
まだまだ成長段階にある若輩者ではありますが、九州の皆さまと一緒に成長していきたいと思っておりますので宜しくお願い申し上げます。
近年、Dual energy CT普及やDeep Learning を用いた画質向上技術、診断技術開発といった所謂AI技術の導入、線量評価ならびに被ばく線量管理、医療放射線安全管理に関する法令の発令などCTを取り巻く環境は激変しています。画質評価も逐次近似法の普及後、タスクベースでの評価が必要あるいはタスクベースでの評価にしか過ぎない等、放射線技師の取り組みとしてかなり困惑している現状があります。
とはいっても診療の現場でCT検査を実施するのは我々であり、日々の研鑽が必要です。この会の目的は「基礎を学び発展させること、フレキシブルな人材育成」です。また、一つの研究を熟成・発展させるためにアドバンス(AD)ミーティングやアドバンス(AD)セミナー、サマーセミナーといったサポート体制も整備しております。今後も皆様に多くの情報を提供するとともに、研究成果を披露して頂く場、更なるブラッシュアップを図る場として活用して頂けるよう、新世話人の皆さまと共に運営していきたいと考えております。
今後とも、九州CT研究会へのご支援ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。
研究会の歩み
本会の歴史を遡ると、当初はナースプラザ福岡を会場としていましたが、第7回からは会場を北九州国際会議場に移し、企業協賛による機器展示を行うようになりました。第8回からは企業共催による九州CTフォーラムを閉じ九州CT研究会の単独開催となるなどの成長を続け、毎回300名を超える参加者のある九州に根付いた活気ある会として全国にも認知される研究会となりました。これも歴代の世話人方の心意気と九州の診療放射線技師さんの熱意、さらには企業さんのご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
内容についても、記念すべき第1回は長野赤十字病院の八町淳先生を特別講演にお招きして、まだまだ未成熟だった「造影CT」をテーマに開催されています。それ以降もやはり当時としては未成熟だっ「CT画像評価の基礎」を金沢大学の市川勝弘先生、「ROC解析」を熊本大学の白石順二先生にご指導戴いたことをはじめ、近年では全国に先駆けてDual energy CTをテーマとするなど時代背景を鑑みてCTに携わる放射線技術者にとって何が必要なのかを追求する会であり、非常に有意義な研究会との評価を戴いております。