第3回九州CTサマーセミナー 開催報告

第3回サマーセミナー集合写真 まだまだ夏の熱さが残る8月23日(土)〜24日(日)にかけて、「第3回九州CTサマーセミナー」が開催されました。
今年は28名の参加者が13演題の発表に対して、活発にディスカッションをかわしました。あまりに白熱した結果、残念ながら1演題のみ時間の都合上発表できない事態となりました。ご準備いただいていた発表者の方、大変申し訳ございませんでした。
特別講演では、シーメンス・ジャパン株式会社 リサーチ&コラボレーション チーフサイエンティスト 伊藤 俊英 先生より「X線スペクトルと画質の関係を考える」と題してご講演いただきました。近年、120kV以外の管電圧を使用した撮影法の報告も多く、Dual energyやmonochromatic imageなどの新たな概念も登場しています。しかしながら、CT画像の元となるCT値自体が線吸収係数を反映していることから、同じ物質を撮影しても使用する装置によってCT値が異なる現状があります。また、CTに用いられるX線は連続X線であることから、X線スペクトルの形状によって被曝や画質に与える影響の度合いが大きく変わります。今回は日頃なかなか知ることができないX線スペクトルとフィルタの関係や平均エネルギーとCT値の関係などについて、非常に詳しくお話しいただきました。個人的にはとても興味のある領域なのですが、まだまだ完全に理解するに至らない自分に悔しさがこみ上げましたが、本当にこれだけの内容の講演をサマーセミナーで聞けることに興奮すら覚えました。また、貴重なデータを惜しげもなく当日資料としてご提供いただき、主催者の私も「参加して良かった!」と思ってしまう程の1日でした。
来年も同時期に開催する予定で準備を進めて参りますが、本セミナーは発表される方およびオブザーバーとして参加される方々があって初めて成り立つ会です。今年参加できなかった方、発表できなかった方はぜひご参加いただき、ご発表ください。もちろん、今年ご参加された方も引き続き宜しくお願いいたします。

第3回九州CTサマーセミナーでご発表いただいた演題名および演者の方々は以下の通りです。ご協力ありがとうございました。(敬称略)

「心房中隔欠損症に対するMinimum Intensity Projection法の有用性−最適なslab厚の検討−」
小倉記念病院 中村 義隆

「ワークステーションにおける肺動静脈分離自動処理機能の基礎的検討」
北九州総合病院 朝倉 一義

「蛍光体の異なる間接変換型Flat Panel Detectorシステムの線質依存性について−解像特性とノイズ特性への影響−」
産業医科大学病院 永元 啓介

「新しい撮像法による金属アーチファクト低減効果の検討」
産業医科大学病院 井上 恵

「心臓ドックにおける冠動脈MRA描出能の検討−1.5Tと3Tの比較−」
熊本中央病院 竜 由香梨

「IDEALを使用したGd造影FSE-T1強調像の基礎検討」
産業医科大学病院 成松 秀州

「CT検査における医療被ばく低減への取り組み =第9回九州放射線医療技術学術大会市民公開講座= 」
北九州市立八幡病院 満園 裕樹

「通常スキャン、DualEnergyスキャンにおける吸収体が画質に及ぼす影響」
宮崎県立宮崎病院 藤本 一真

「ボリュームデータ合成画像の基礎的検討」
産業医科大学病院 大石 芳貴

「小児頭部CTにおけるヘリカルスキャンの検討」
熊本地域医療センター 山下 裕輔

「冠動脈CTにおける心房細動症例に対して心電図編集機能を用いた検討」
熊本中央病院 本田 恵一

「小型間接変換型Flat Panel Detectorシステムの基本物理特性について」
産業医科大学病院 竹田 一喜

「Acoustic Noise Reduction(可聴ノイズ低減)の基礎的検討 」
産業医科大学病院 渡辺 翔

特別講演 「X線スペクトルと画質の関係を考える」
シーメンス・ジャパン株式会社  リサーチ&コラボレーション チーフサイエンティスト
伊藤 俊英 先生

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